Biotar 58mm F2
絞り羽10枚、古いから絞りは2-16まで、最短撮影距離は0.5m弱。レンズは49mm径だけど、フィルターのねじ込みは2ndリングせいで使えない。この時代のレンズらしく、逆光には弱くて盛大なフレア祭りになることがあるけど、レンズが奥まっているので少し角度を変えると気にならない程度には収まる。
4群6枚からなるこのレンズはとっても扱い易い。ピントのヤマもクッキリしているし、比較的明るいので被写体を問わない万能選手。細身で軽いから、気軽に持ち出せるところが気に入っている。EOS R5にはM42マウントアダプターで装着。中古市場ではそこそこ出回っていて、良品も多い。でも、私所有のこのレンズはややレアもの。レンズはチリなくキズなく全く問題ないし、外装も多少キズはあるものの、ややくすんだ感じのシルバーメタリックはオールドレンズの雰囲気たっぷり。
Carl Zeiss Jena Biotar 2f / 58mm/Shoten m42-C.R. / EOS R5































記録によれば1950年代の製品で、レンズの刻印が面白い。Carl Zeissとは記されてなくて、C. Z. Jena とそっけない。fakeレンズとの噂もあるけど、そんな面倒なfakeはないだろう(笑)。実際は、東西ドイツ分裂の際に、Zeissも西と東にわかれ、東側はZeissと名乗れない時期があったため。特に輸出版となると商標的に紛らわしい。それで東側はC.Z. Jenaに。赤のT-coating マークも使えないので、赤のred-diamondに。この赤ダイアがレアモノの所以に。ところが、この刻印のリングは2ndリングで、外すとオリジナル、というか当初生産時の刻印が出てくるとのこと。といっても、Carl Ziessの部分は削られているとか。確かに、所有のBiotarも2ndリングを外そうとした跡がある(塗装が剥げている)。外そうとしてみたけど、固くて無理だった(涙)