Pancolar 50mm F2
出来が悪い子ほど可愛いというのは、このことか。このレンズ、ホコリだらけでレンズも真っ白、フォーカスリングの回転もすごく重かった。レンズ分解の練習に超安価なジャンク品として入手。拭いてみたら鏡筒はまあまあ綺麗。レンズも拭いたら、これもキレイ。中にほとんどチリやホコリが入ってな。ホコリが入り込まないくらい鏡筒の立て付けしっかりしているのだろうか。フォカスリングがあまりに重いので、某潤滑剤をそっと鏡筒の隙間から流しこんで、20回くらいごしごし回してみ。すると、ちょっと軽くなった。翌日回してみたら、かなり軽い。さらに、もう少し潤滑剤を流して、20回くらい回したら、いい感じで軽くなった。自分で復活させたみたいで嬉しい。というわけでこのレンズが可愛い。
この時代のレンズ、絞りのギミックが凝ってる。焦点幅の数値刻印のかわりに、赤のフラッグが左右にひらいて、ゼブラ模様の測距離に繋がる。この仕掛け、何て言うんだろ。そういえば、昔のニコノスのレンズがこんな感じだった。このギミックが少しワクワクさせる。Gutta Perchaはフォーカスリングの滑り止に使っている黒いテカテカしているラテックス樹脂とのこと。マレイーシア産の樹木から作るらしく、絶縁体やゴルフボールの部材とかに利用されているという。滑り止めといいつつ、結構スベル。古いからか。後に生産されるイボイボ型より、このヌラヌラ型のほうが見た目はいい。
写真はキレキレには遠く及ばないが、写りは悪くない。暖かめの描写の雰囲気や空気感がいい。東(Jena)のPlanarとい言うだけあって、優しい感じだけどスッキリ映る。とにかくさっぱり優しい感じというのがこのレンズの印象。ボケはちょっとうるさい?Pancolarは50mm F1.8を良く見かけるが、刻印されてるID番号から察するに、こちらはそれより古い1959年製造。60年前のレンズ、まだまだ実用的で十分使えるとは。
Carl Zeiss Jena Pancolar 2.0F/50mm (Gutta Percha版)/ Kipon Exa-EOS R / EOS R5














